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ドラジェの歴史

銀色のドラジェ
ドラジェの誕生から現在まで
古代エジプトの時代から,菓子は神々の奉献物として欠かすことのできない存在であり,古代ローマには“ファクトレス”と呼ばれる供物専用の菓子屋がありました.
中世ヨーロッパでも菓子の発達は,宗教行事とともに歩み,現在でもそのいくつかは伝統的な宗教行事の祝い菓子として残っています.

そのなかの一つが“ドラジェ”です.
フランス,ヴェルダンの薬剤師がアーモンドに砂糖と蜂蜜をかけた菓子を作ったのが,現在の“ドラジェ”の原型となりました.

17世紀の初頭,アーモンドの一粒一粒に砂糖を幾重にも硬くコーティングしたドラジェの製法に成功してからは,その陶器のような外観が祝い菓子としての気品を備え,中に包まれたアーモンドやチョコレートの滋養に富んだ役割から,洗礼式,結婚式,子供の誕生祝いの菓子として欠くことのできない品となりました.
また,大変手間のかかる手作業であったことから,余裕のある階級で消費される貴重で贅沢な菓子でした.

ブルボン王朝時代には,砂糖菓子の急速な進歩により,宮廷内の貴族たちの間で“ドラジェ”やボンボンの取り持つ“甘い関係”があちこちで見受けられるようになりました.
貴族は貴婦人のご機嫌を取り結ぶため,宝石や金属,真珠などをあしらった素晴らしいドラジェ入れやボンボン入れをいつも離さず持ち歩いていました.

今では,色々な形,色調,味などの種類が増え,花やオブジェとして自由に活用し,食べるだけでなく,見て楽しむお菓子として受け継がれています.